日本とフランスのあいだ

雪国で生まれ育った親と、南米で育ったちびっこ達の生活記録です。筆者は、お笑いと福袋をこよなく愛す40代です。

運転手さんのつぶやき

 年末に東北の実家に帰省し、大好きな福袋などを買って荷物が増えてしまったので、京都駅から自宅まで贅沢してタクシーで帰ることにしました。

 お願いしたタクシーの運転手さんは、父を見るなり「ハロ〜」と気弱に声をかけてくれましたが、その後ろからひょこっと現れたわたしを見ると「あ〜。よかったよかった。安心した。これでちゃんと行き先もわかるわ。」と喜んでくれました。現れただけで喜んでもらえるなんて、ちょっとうれしいです。

 乗車していたのは、わずか10分くらいの間でしたが、運転手さんは気さくなおじさんで、いろいろお話を聞かせてくれました。

 お客さんの5割、季節によっては7割が外国人の方々で、言われる行き先がよくわからず困っていること、いつも行列しているあるラーメン屋さんのお客さんは観光客ばかりで、地元の人は行かないことを「関東の人は並ぶのが好きやからな〜。」と感心するように話します。「並んでんのはネットオタクみたいなんばっかりや」と、自分はそのお店には並んだことがないわりには、なかなかの偏見を持っているのが彼の面白いところです。

 もう中国人による爆買いはなくなったそうですが、爆買いの頃は中国の業者さんがタクシーを貸し切りにして薬局を3軒ほどまわり、各店舗で300万円ほど購入していたそうです。私が「それじゃ、薬の棚が空になるでしょ。」と聞くと、「そうや、空や。」と頷いていましたが、最近は中国の関税の関係で、爆買い業者さんが来なくなったそうです。「もう金持ちはおらんな。」と爆買い業者を懐かしんでいました。

 おじさんの話で特に印象に残ったことがあります。 最近の外国人は、府に宿泊施設として申請をしていない民泊の利用者がかなり多いそうで、1棟借りで1万円程度のところに、タクシー2台分ほどの人が泊まり、そういった方々は、食事にスーパーの夜の値引き商品を購入し、朝食は夜遅くにもう一度スーパーに出向いて、さらに値引きされた商品を購入するそうです。

 予算が少ない旅行者なのだと思いますが、 そういった方々が増えているため観光客によって京都が潤うような状態ではないそうで「そんなん、観光客っていえんやろ」と寂しそうに言っていました。私も独身時代に1人で宿坊に泊まって京都のお寺巡りをした際は、けっこう節約して観光をしたものですが、ずっとこの街で暮らす人々にとって、観光客、観光収入というのはとっても大事なことなわけで、受け入れる側のことも考えて旅行するのも大事だなと考えさせられました。

  京都に来て4ヶ月が経ち、生活もやっと落ち着いて来たので、今年はもう少し頻繁にブログも更新できると思います。今年もよろしくお願いします。