日本とフランスのあいだ

雪国で生まれ育った親と、南米で育ったちびっこ達の生活記録です。筆者は、お笑いとおにぎりをこよなく愛す40代です。

ことばが通じない難しさ…

 当たり前のことかもしれませんが、「ことばを学ぶ」と言うことは、「その国の文化を学ぶ」と言うことだと解釈しています。
  私は、フランスで日本語教師と言う仕事をしていました。その際、生徒さんには日本語だけではなく、日本の文化を伝えるということにけっこう気を使っていました。

 バイリンガル=バイカルチュアルではありません。

 ブラジルに住んで気が付いたことですが、日系人の方々はその一例かなと思います。彼らは日本語がとても上手に話せます。人によっては話すだけではなく読み書きもできますし、日系人同士で家族を築いた場合は外見もすっかり日本人です。そして、彼ら自身は、自分達は日本人と変わりがないと思っています。
 
 日系人の方々は不快に思われるかもしれません。でも、日本で生まれ育った生粋の日本人からすれば、彼らは「日本語が話せる外国人」の範疇を出ないと言えるでしょう。
 日本語は確かに上手ですが、やはり彼らが持つのは、生まれ育った国(この場合ブラジル)の習慣、考え方を含むその国の文化なので、付き合っていくと「日本人」とは違うことに日本から来た日本人は気が付いてしまうのです。
 むしろ、本当の外国人ですがダニエル・カールさん、厚切りジェイソンさん、クリス・ハートさんなどの方がずっと日本人寄りな感じがします。ロバート・キャンベル教授なんかは、日本人以上だと感じます。「その国の文化を学ぶ」と言うのは、たいへんなことなんですよね。

 さて。言語としての「ことば」が通じていると思われる相手とも、意思の疎通はできないと言う時があります。

 そんな時、最初のうちは(文化の違いかな?)と思うのですが、回を重ねると(これは個人の性格の問題なのかな?)と考えるようになり、最後は(この人には私のことばが通じない・・・)と思ってしまいます。

 以前、「あれ?ことば通じてない?」と思うことがありました。

 相手は、モザイコの教室に来ている生徒さんです。モザイコのアトリエは、先生のお宅の離れの一部で、アトリエの中と外の温度はあまり変わらないような状態でした。
 
 ブラジルでも南部の冬は寒い日々が続きます。わが家もちゃんちゃんこヒートテックを着込んで生活していました。

 その日は朝から少しだけ寒く、雨が降っていました。Eさんは、生後5か月半の赤ちゃんをおんぶ紐に入れてモザイコ教室に来ていました。

 その日、赤ちゃんは38.8度の熱があったそうです。Eさんは、寒いと感じたのか自分はちゃんと長袖を着ていました。が、赤ちゃんは半そでのボディスーツ1枚に、裸足でした。

 わが家も海外で子育てをしているので、欧米諸国では熱がある場合も毛布をかけたり着込ませたりせずに、涼しくなるように服を取ってあげたり、冷たいシャワーを浴びさせたりするということは知っています。(⇒わが家は、欧米風ではなく日本風に看病しています。)それでも、熱があればゆっくりやすませてあげるのは同じです。

 Eさんに、「38.8度も熱があるなら、連れてくるべきではないよ。家にいた方がいいでしょう。」と言ったところ、「なんで?」「なんで、子供が熱があると、外に出ちゃダメなの?」と聞かれました。「子供は外の空気が必要でしょ?」とちょっとキレています。
 「外の空気は必要だけど、38.8度も熱があったら、体がしんどいと思うから、休ませてあげた方がいいよ」と言うと、「ベッドに置いたって寝ないの!」と言い返されました。
 
 まぁ、家庭によって育て方は違うし、私の子ではないのですが・・・。こういうことがあると、「あれ?ことば通じてないのかな?」と思ってしまいます。(この場合、言語と言う意味の「ことば」ではありません。)

 しかも、モザイコの教室はタイルが飛び散る場なので、そんな小さな赤ちゃんを連れてくるのは危ないと言うのが私の考えです。目に入ったりしたら危険なので、日本人のお友達も、私も、子供が幼稚園に入るまでは、友達に誘われてもお断りしていました。

 私も母親ですので、小さな子供と二人っきりで家にいなければならない大変さはわかります。 「赤ちゃんを連れて外に出るのが悪い」と言っているのではなく、時と場所(場合)を選んだ方がいいのではないかと言いたいのですが、どうしてもうまく伝わらないようです。

 やはり、私はまだまだ修行が足りません。ことばって難しいですね。