日本とフランスのあいだ

雪国で生まれ育った親と、南米で育ったちびっこ達の生活記録です。筆者は、お笑いと福袋をこよなく愛す40代です。

フランス老人

月曜日の早朝から、お義父さんとお義母さんが一週間のパリ旅行に行っている。残された渡ちゃん+ちびっこ2名の安否確認のため、パリから時々連絡をくれる。今日はこんなことした、お昼ご飯はなんだった、今から夜ご飯に行く、メニューは…とお義父さん、お義母さんの声はイキイキしている(^-^)

友人やその親戚などが集まった50名弱の団体旅行なのだが、私から言わせれば、つまり老人クラブだ。
どうやら10年ちょっと前から、お義父さんは老人クラブの会計的な役割を担っているらしい。そのため、時々老人が集まる会合に出かけ、旅行会社の人が自宅に打ち合わせに訪れ、たくさんのじいちゃん、ばあちゃんが支払いのために小切手を持ってやって来る。
この老人クラブでは、年に2回の海外旅行の他、月に1度は季節により食事会、釣り大会、ペタング大会、ワイナリーや工場の見学などなど、いろいろなイベントが行われているようだ。イベントの時は、必ずレストランで食事をすることになっており、メニューまで全部決めている。お義母さんは今度のレストランでは何を食べるのかと、ときどき行程表を眺めて嬉しそうにしている。

人間は年を取ると、なかなか自分の習慣を変えることができないものなので、幹事はただでさえたいへんなのに、相手が老人50人となると発狂してしまいたくなるワガママぶりなのではないだろうか…σ(^_^;) いろいろと決定するのがたいへんであることを裏付けるかのように、この老人クラブでは常に2年前から準備をしている。聞いているだけでため息が出るが、55歳で早期退職をしたお義父さんにはある種の生き甲斐なのかもしれない。

以前、夫がロワールの城巡りをお義父さんに提案したところ、ソッコーで却下された。なぜならば、施設に入った瞬間に!クラブメンバーがすることは!椅子を探して座ることなのだ。よって、石の階段ばかりの城なんて、老人クラブには仇のような観光地である。
ワイナリーや工場に行っても同じ。メンバーは椅子取りゲームの速さで、どこに座れるかとすぐにキョロキョロし始めるそうだ。彼らにとって、椅子に座れるかどうかは、見学する内容よりも大事なのだε-(´∀`)
それでも、見知らぬ人も交えた団体で、貯めた年金を使って、わざわざ旅行に行こうとする老人達は、とっても元気だなぁと感心する。もはや、椅子なんかいらないのでないかと思うくらいだ。

私の両親は、隣組の町内会活動だけで手一杯で、日本の老人クラブがどんな活動をしているのかわからないけど、いくつになっても元気で楽しく過ごせる人生っていいなと思う。私も20年後には椅子を探しつつ、他の老人達と旅行に行ったりしてるのかも。

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