日本とフランスのあいだ

雪国で生まれ育った親と、南米で育ったちびっこ達の生活記録です。筆者は、お笑いと福袋をこよなく愛す40代です。

長女「別れて生きる」という世界を知る

事実婚(準結婚/内縁)スタイルのカップルも多いフランスです。事実婚が特別なわけではなく、結婚していても、していなくても、愛が冷めて別れを選ぶ2人もいます。結婚していればdevice =離婚、事実婚の場合はsépareと言うことになります。sépareは日本語訳を調べたら「別居」と出て来ました。フランスでは、そのsépare / 別居後に正式に新しい家庭を持つ場合も多いので、日本の別居と言う感覚よりも、離婚により近いかなと思います。

このブログでもおなじみの、従兄弟のヤニスとユーゴ兄弟。ヤニスは現在CM2(小学4年生)、ユーゴはCE2(小学2年生)です。ヤニスのクラスでは、両親が一緒に生活している子は少数派です。クラス25人の半数以上の子供達は、両親が離婚または別居をしていたり、親御さんの新しいパートナー家族と暮らしています。ヤニスやユーゴはお友達を誘うと「それって、君のパパの家、それともママの家?どっちに行くの?」と、まずはみんなに聞かれるそうです。

小さな子供達が新しい環境を受け入れるのはたいへんな事だと思います。少しづつ理解したり、悩んだりしながら、前に進んでいるのかもしれません。フランスの子供達は、親の離婚や別居を、誰にでも隠すことなく話します。時々、そんなことまで聞いていいの?というような、事細かな事情まで子供同士で話しています。私はびっくりしてしまいましたが、話す方も聞く方もそれが普通で、誰かに話す事で少しづつ整理ができることがあるのかもしれず、そんな様子を見ていると、フランスの子供は、大人びているなと思わずにはいられません。

わが家の長女は、フランスに来てから初めて、家族が一緒に暮らしていない場合があるということを知りました。ある日、仲良しのお友達のジュリーが「うちは、もう別れたからママしかいないよ。」と普通に話したことで、えらく驚いて帰って来ました。その日、ちょうどお義父さんの家に預けられていたユーゴ小学2年が「離婚したんでしょ」とあっさりと長女に言ってのけました。「離婚」という言葉を知らなかった長女が「結婚したら、離れたりできないんだよ。」とファンシーなことを言い、ユーゴが「別れられるに決まってんだろ。」と応酬します。「じゃあ、子供はどうすればいいの。」と食い下がる長女に、ユーゴが「子供は、隔週末にパパの家で過ごしたり、ママの家で過ごしたりするんだ。バカンス中は半分づつ!」とトドメの一言を放ち、長女はそんな世界があったのか…としばし呆然としていました。

自分の人生を前に進めるために、人と別れる決断をするということは、他人には決して想像できない難しいことで、それでも決めなければいけないこともあり…。うまく言い表せませんが、生きていくのは楽しいけど、やっぱり1人だけではどうしようもなく難しいこともあるなと感じます。それでも、楽しい時には、いろいろ忘れて、笑って走り回っている子供達は、とんでもなくすごい存在だなと思います。

 

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