日本とフランスのあいだ

雪国で生まれ育った親と、南米で育ったちびっこ達の生活記録です。筆者は、お笑いと福袋をこよなく愛す40代です。

サンタクロース問題

10月から既に、フランスではクリスマス商戦が始まっています。おもちゃ屋さんや、カルフールを始めとする大手スーパーがこぞっておもちゃのカタログを配布し始め、アドベントカレンダーが店頭に並び、クリスマスの時期にのみ販売されるキラキラ包装のチョコレート達がスーパーの入り口に山積みされ始め、子供達はサンタさんに持ってきてもらいたいおもちゃのリストを、広告で切り貼りして作っては眺めています。お寺大好き、御朱印大好き、ほぼほぼ仏教徒のわが家の娘達もここ2ヶ月は小躍りばかりしています。

わが家の長女は、他の小学3年生と比べてけっこうファンシーなタイプですが、フランスに来て3ヶ月、フランス人の子供達に「社会の現実」をいろいろと勉強させてもらっているようです。おかげさまで、最近は『もしかして着ぐるみの中には、人間が入っているかもしれない…』と言い始めました (゚o゚;;

そんな彼女は先日、いとこやお友達に「おい。サンタさんはいないぞ。目を覚ませ、あれは親がプレゼントをクリスマスツリーの下に置いているだけだ!」「プレゼントを包んでる紙が、2年同じだったことだってあるでしょ!」と言われたそうです。
いつかはこの日が来るだろうと、私も思っていました。相方は『7歳(小学1年生)までには、サンタクロースは本当はいないって、教えた方がいい』とずっと言っていたのですが、ファンシーな娘にその現実をどうやって伝えようか…と悩んでいるうちに、彼女は9歳になりましたσ(^_^;)

そんな、ある日!ラブストーリーが突然に訪れるのと同じように、突然サンタクロース・カミングアウト・チャンスが訪れました。
長女が「ママ。みんなが、サンタさんはいないって言うんだよ。変だよね。」と打ち明けて来たのです∑(゚Д゚)こ、これは!今がチャーンス!と思い、サンタさんについて私なりの説明をしてあげました。⬅︎それが良くないという節もある。

“サンタさんたる人々は、主にフィンランドノルウェーなどの北欧に住んでいて、サンタになるには資格試験があるそうだよ。年に一度「サンタ会議」っていうのも開かれているそうだ。ちなみに日本では公認サンタクロースが1人だけいて、吉本興業に所属しているみたいだよ。これは、赤い服を来てサンタクロースの格好をするという「仕事」をしている大人がいるっていうことだ。
つまり「サンタクロースという仕事」はあるけれど、絵本で描かれているみたいに、クリスマスのたった一晩でプレゼントを子供達に届けるような、空飛ぶそりはないのよ。そんなわけで、毎年プレゼントを用意してくれたのはフランスと日本の家族達で、クリスマスツリーの下に置いていたのは、父と母なんだよ。だから、これまでのことは家族みんなに感謝しなければいけないよ。
でもね。小さい子供達は、サンタさんを信じることで幸せな気持ちになるから、サンタさんを信じている子供達に、プレゼントを用意したのは家族だよとは、言ってはいけないよ。あなたもクリスマスのことを考えてるだけで、幸せな気持ちになっていたでしょ?だから、小さい妹にはまだ内緒にしておこう。”

私はきっとわかってくれる!と自信を持って説明しました。

結果…長女は「いると思ってたのに…。」とひとしきり泣きました。涙をポロポロとこぼしていました(^_^;)…かと思ったら、なんと!
「でも、空飛ぶそりがないなんて、どうやってわかるの?みんなが知らないだけで、あるかもしれないじゃん。ないっては言えないよ。」と言い、「やっぱりサンタさんのことも、そりのことも信じるよ!」
と言い残し、ららら〜と回りながら去って行きました。えっ?!あの涙は?!このファンシーな意思の固さは一体どこからっ?!
結局、母のサンタクロース・カミングアウト・チャンスに挑んだ勇気虚しく、長女はサンタさんの存在を引き続き信じて行くことに決めたそうです…。悩んだ毎年末の時間!隠し続けた努力!そして、今日のチャレンジ!

まぁ、彼女がそう決めたのならもう仕方ありません。私はサンタクロースについての現実を話し、そこで彼女は信じることを選択した。それだけのこと。『負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、信じ抜くこと ダメにな〜り〜そうな時、それが一番大事』。なるほど。近い未来に、空飛ぶそりが開発されることを願っております。

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